今まで経験のない樹脂の劣化具合に思わず記事を書いてしまいました。
ガラケー充電台がバキバキ
( 汚い写真で申し訳ないですが  ) これはガラケーの充電台です。側面がバキバキに割れています。
埃を被っていたので、左手で支えて右手のティッシュで拭いたとたんにこうなりました。
バラバラになった破片
破片はバラバラになり、一部は粉々になっています。大きな破片を手に取り、少し力を加えただけでパキッと折れます。お菓子のクッキーぐらいの強度じゃないでしょうか。
なお、樹脂の板厚は約 1.3mm です。

この充電台はガラケー Panasonic P-04A のものです。発売日が2009年だそうですので、約10年物という事になります。


保管場所は和室の学習机の奥まった場所ですが、部屋は夏場には40℃近くにもなる少し厳しい環境です。

内部を見ると、樹脂の素材らしき記述が有りました。
PLA+ABS-TD5
>PLA+ABS-TD5<

この ">" "<" で囲まれた表記は JIS で定められた素材表示方法だそうです。
"+" で区切っているのでこの場合、主成分が PLA で ABS をブレンドした物という意味。
"-" の後に書かれている TD5 が何を表しているのかは分かりませんでした。
'19/10/15追記―
"-" の後に書かれている TD5は、粉末状のタルクが 5 質量%含有されているという意味です。(参考資料に書いてありましたが、最初見落としていました。)
タルクとは樹脂ではなく鉱物で、充填する事で剛性、耐熱性、寸法安定性向上や電気絶縁性の向上、つや消し、燃焼熱の低減効果が得られるそうです。
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製品の筐体は非常に脆 ( もろ ) かったのですが、コネクタの部分はかなり頑丈で手で力を入れてもびくともしませんでした。
コネクタ部分は頑丈
ロゴから、ヒロセ電機製と思われるコネクタ ( とても頑丈 )

この筐体の主成分である PLA は植物由来の土に還る樹脂で、ABS は身の回りによく使われている一般的な石油系樹脂です。
PLA についてネットでざっと調べてみると、環境意識の高まりとともに ABS の代替が可能な土に還るプラスチックを目的として開発された素材の様です。
参考にしたサイトによると、
またABS樹脂と同じ性能まで強化させることで、家電製品のパーツ類や、自動車用パーツにも使用が開始されている。
とあるのだけど、こんなボロボロになる樹脂を家電や車のパーツに使用してて大丈夫なのかと心配になります。メーカーは製品がこんなに脆くなる事を織り込み済みなのでしょうか。

PLA で検索すると他に、3Dプリンタの材料に関するサイトが沢山ヒットします。3Dプリンタで作成する製品にあまり重要な役割は与えられていないでしょうけど、場合によっては素材の変更を検討しないといけないのかもしれません。

今回は約10年前のほとんど使用していない携帯の充電台が壊れただけですが、人の生死に関わる様な場所にこの様な素材が使用されていない事を祈るばかりです。


【 その他の参考サイト 】
Polyplastics ―TR-5 CF2001/CD3101 物性カタログ― ( TD5と書かれている )
'19/10/15追記―
日本タルク株式会社 ―タルクとは―
松尾産業株式会社 ―タルク―
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