2007年頃に購入した ( と思われる ) キャノンの複合プリンタ MP810 が、自分の手ではどうしようもない所まで復帰不可能になってしまいました。
ここに、復帰作業の際に行った事のメモを残します。MP810 をまだ愛用している方の助けになれば幸いです。


ご注意

ここに書かれている内容はけがをするなどの危険な行為も含まれています。
また、プリンターを余計に悪くする可能性も有ります。
僕は責任をとれませんので宜しくお願いします。


現在の症状

  • 電源を入れると液晶画面に一瞬 B200 のエラーが表示され、次に 5020 のエラーが表示されてストップ。
  • サービスモードに入ろうとすると左上に CANON という表示のまま変化なく、電源とエラーランプが交互に 10回点滅を繰り返す(サービスモードにすら入れない)。
  • プリントヘッドを取り除いても変化なし。
  • プリントヘッドを清掃して装着し直しても変化なし。
以上の事から、ロジック基盤にダメージが入った可能性が高いのではないかと推測する。


悔やまれる事

今年の年賀状を印刷した後約半年ほど放置し、久しぶりに起動したら「プリントヘッドの種類が違います。」というエラーが出て印刷が出来なくなる。
この時点でプリントヘッドを取り出して洗浄していればここまで深刻にならなかったかもしれないと思う。
Google で検索していると、「 プリントヘッドが汚れすぎて予期しない所に通電してしまいロジック基盤にダメージが入る事が有る 」 という書き込みを目にした。
僕はその時洗浄は面倒なので最後の手段にして、ソフトウエア的に解決できないものか探っていた。
何回か電源を ON / OFF している間にこの様な事態になってしまった。
上記の事から、プリントヘッド周りにエラーが生じたら、まず洗浄してみるのが良いのではないかと推測する。


本体分解

プリントヘッドが取り出せなくなったので本体を分解する事になった。
ここに、プリントヘッドが取り出せるようになるまでの分解の手順を大まかに掲載する。
※以下で使用する ” 左右 ” は 『 本体に向かって 』 とする。

サービスマニュアル

通常のユーザマニュアルではなく、修理を行う人が見るマニュアル。
ネット上を根気強く探せばまだ存在します。怪しいサイトが沢山引っかかるので注意が必要かもしれません。
※入手できるのは恐らく英語版のみだと思われる。
※ニンジャスレイヤー好きです。特に10話。フーリンカザン!けいたゆうたぴぃでーたえふ!

注意点

分解の際には幾つか注意点がある。
サービスマニュアルから、特に大事だと思う点をピックアップしてみた。
  • フェライトコアを落とさない事。落としたら割れるかも。
  • 静電気対策をして作業をする事。静電気で機械が壊れる。
  • 電源コードを抜いてから1分程待って作業する事。機械、作業者双方に危険。
  • スリットフィルムに触らない事。位置検出に使用していると思われる部品。ゆがませたり汚したりしたら正常動作しなくなる。
フェライトコア
スリットフィルム

使った工具

  • プラスドライバー( No.2 だと思う )
  • マイナスドライバー( 樹脂の爪などを押す用。中~小型の適当なもの )
  • ピックアップツール( ドライバーが磁化されていれば要らないかも )
たまたま家に有ったピックアップツールを使用。
ネジが結構奥まった所に有るので、有用だった。
ピックアップツール

分解手順

  1. 本体底部の給紙トレイを取り除く
    ただし本体を小さなテーブルの上にのせてずらしながら作業するなら、付いていた方が安定するかもしれない。
    マニュアルには取り除くように書かれているので、個別に判断してください。
    給紙トレイ

  2. 前面カバー( 左右 ) を取り外す
    ちょっと難しい。
    基本的には
    • 上部の爪の掛かりを、本体の内側からマイナスドライバーなどで解除。
    • 前面カバー ( 半透明パーツ ) を本体の中央に向かって斜め上に引っ張り上げる
    のだけど、透明パーツの下部が排紙トレイの根元に干渉して取りづらい。
    良い方法は分からないけど、排紙トレイと本体のつなぎめの隙間を手で押し広げながら引っ張り出す感じになる。
    全面カバー取り外し

  3. サイドカバー( 左右 ) を取り外す
    • ネジを外す ( 前面1、背面2 )
    • 爪を解除しながら本体側面方向に引っ張り出す
    サイドカバーのネジ
    サイドカバーの爪

  4. ケーブルを外す
    本体上部のドキュメントカバーとスキャナーユニットを取り除きたいので、そこから伸びているケーブル類を全てロジック基盤 ( 緑色の板 ) から取り除く。
    当たり前の話ですが、手前の作業しやすい所から抜いていくと良いです。
    以下の注意点有り。
    • アース線 ( 黒色 ) はネジ止めされている。
    • ケーブルコネクタは全て向きが有る。
    • フラットケーブル ( 紙みたいに薄いケーブル ) のコネクタはロック解除が必要。抜き差し自体に全く力は必要ない。茶色い部品を手前に倒せばロック解除。
    • フラットケーブルに付いているフェライトコア ( 上の注意点の項目参照 ) を落としてしまう可能性あり。
    ケーブルを外す
    フラットケーブルコネクタのロック機構

  5. ドキュメントカバーを取り外す
    特に固定されていないので上に引き上げて外す。引っかかる場合は前後に揺らす。
    ケーブルがどこかに引っかかっていないか確認しながら作業する。
    ドキュメントカバーを取り外す

  6. スキャナーストップアームを本体から取り外す
    スキャナーストップアームは本体左側に付いているスキャナーユニットを支えているダンパーみたいな部品。
    アーム根本の回転部が樹脂のバネで固定されている。
    アームを上に引き上げながらバネを左、右と片方ずつ解除して抜く。
    アームを上に引き上げるには、アームを持つのではなくスキャナーユニットを上に持ち上げるのが楽。
    スキャナートップアームの取り外し1
    ※もしスキャナーユニットを閉じてしまって開けられない場合は、左手前のボタンを押せばロックが解除される。
    スキャナーユニットを持ち上げるには

  7. スキャナーストップアームをスキャナーユニットから取り外す
    スキャナートップアームの取り外し2

  8. スキャナーユニットを本体から取り外す
    ケーブルの付いている方から、ケーブルが引っかからない様に取り外す。
    特にフラットケーブルには細心の注意を。
    スキャナーユニットを本体から取り外す

  9. メインケースを取り外す
    ネジを5カ所外して上方向に引き上げれば外れる。
    本体前面の排紙トレイが完全に開いているとケースが抜けにくいので注意。
    メインケースを取り外す


本体組み立ての注意点

基本的に逆順で OK だが、幾つか注意する事が有る。

メインケースの組み込み

  • 体左側に有る円形のスリットフィルムに触らない様に。
  • 本体内部に立っている二本の金属棒が、ケースを被せると外から見えない様にする。
  • メインケース左下に有るレバーの様な物はスリットフィルムに当たらない様にする為、なるべく立てて作業する。
    ※このレバーは前面排紙トレイと動きが連動しているので、そちらを動かして調整する。
メインケースを取り付ける際の注意

スキャナーストップアームの取り付け

慣れれば簡単だが、慣れていないとかなり苦労する。
文字で説明は難しいので詳しくは画像を参照。
スキャナーストップアームの取り付け

配線を戻す

  • ドキュメントカバーから伸びている太い線は、向きが互い違いになる様に。
  • ケーブル類はリブにかける。
  • フラットケーブルのフェライトコアは抜け落ちている事が有るので戻し忘れない。
配線を元に戻す


その他の情報

サービスモードの入り方

  1. [ ストップ/リセット ] ボタンを押しながら [ 電源 ] ボタンを押す。( 押し続ける )
    ⇒ 電源ランプ ( 緑色 )が点灯
  2. [ ストップ/リセット ] ボタンを放す。
  3. [ ストップ/リセット ] ボタンを2回押す。
  4. [ 電源 ] ボタンを放す。
これで液晶画面に " CANON Idle " と表示される ( らしい ) 。
その後 [ ストップ/リセット ] ボタンを押すと ” 何をするか ” を変更できる。
[ 電源 ] ボタンを押して実行。

B200 のエラー内容

5020 エラーはともかく、B200 エラーは何なのか判然としない。
サービスマニュアルには以下の記述が有る。
Error : VH monitor error
Conditions : The internal temperature exceeded the specified value.
Solution (Replacement of listed parts, which are likely to be faulty) : - Print head - Carriage unit - Logic board*
※本来はテーブル組で記載されている。厳密な引用でないのはご容赦下さい。

最後に

2007年に購入したとすると、今年で 12年も働いてくれた事になる。
間に一回有償修理を行っているので、平均すると 6年。設計寿命は 5年の様なのでそんなものか。
ただ、どこかを少し交換すればまだ現役で使えそうなだけに、廃棄するのは非常に勿体ない気がする。
特にスキャナは CCD なので、後から出てきた薄いやつより性能は良いはず。

今後新しいインクジェットプリンタを買うかどうか迷っている。
ノズルが詰まるとか不具合が出ると、それによって飛んでいくお金や時間や労力が有るのでなかなか気が乗らない。
カラーレーザープリンタはメンテナンスが楽そうだけど ( インクジェットと比べると ) 大きくて重くて機能の割に値段が張る。そんなにちょくちょく印刷するわけではないのにそんなプロみたいな物をドーンと買うかと言うと…。
コンビニプリントって思い通りに印刷できるんだろうか。ちょっと研究してみるか。