前回、QNAP サポートがテンプレ返信をした事に憤った事を書いたが、その続きである。


まず今更だが、状況を説明しなくては…。
私が持っている QNAP 社製の NAS ( TS-220 ) には、HDD を使用していない時には HDD の電源が切れる ” スタンバイモード ” というのが搭載されている。HDD の回転を止めるので、HDD の寿命を延ばす効果と省電力が期待できる。
だがしかし、私の NAS がスタンバイモードに移行しない状況に陥った。


通常 NAS というのは、24時間365日稼動させるものだし、QNAP の NAS もその様に設計していると説明されている。
だが、企業の NAS ならいざ知らず、私個人の NAS にそんなに頻繁にアクセスがあるわけでもなく、ほとんどの時間を ” 寿命と電力の消費だけに使われる ” のは非常に残念である。
電源ボタンがあるのだから、使う時だけ ON にすれば良いのでは?と思うかもしれない。しかし、NAS を完全OFF させてからの起動には数分を要するのに対し、スタンバイからであれば数秒でアクセス可能になるのだ。
そんなにアクセスする必要が無いとはいえ、毎日アクセスはしているし、アクセスした時はすぐに動作して欲しいのだ。いちいち ” 使う時だけスイッチを押す ” のは面倒くさいというのもある。


話を NAS の機能に移すと、QNAP の NAS は NAS としての基本性能がしっかりしていて信頼性が高いのは言うまでもないのだが、それに加えて非常に多機能でもある。
詳しくは公式ページなどでチェックして頂きたいのだが、動画や音声・静止画などのマルチメディアを楽しむ機能が搭載されていたり、WEB カメラなどを接続して監視ステーションに出来たり、プリンタサーバーになったりもする。
さらに、アプリを追加すれば WordPress などを使用してウェブページを構築したり、Evernote の様なスクラップブック的な使い方をする事も出来る。
さらに、NAS と言っても中身は Linux PC なので、その界隈に詳しい人ならば、非公式な方法でも色々手を加えることが出来る。
まさに夢のオモチャ箱なのだ。

だがしかし、それらの機能はしばしば HDD のスタンバイモードへの移行を邪魔する。
QNAP NAS の様々な機能やアプリケーションが勝手に HDD にアクセスを行ってしまうのだ。ただ、それらのアクセスは自らを正常に機能させるために行っているので、必要な行為と言わざるを得ない。
折角様々な機能を搭載しているのに、「 HDD をスタンバイさせたければ、QNAP NAS の機能を削ぎ落とさなければならない 」 という究極の選択を迫られるのだ。
個人的な感覚から言えば、” 私が能動的にアクセスしない限り HDD を起動させない ” HDD スタンバイモード優先 ” 機能は可能な様な気がするのだが、どうなんだろうか。


どの機能が HDD にアクセスしているかが分かれば、その機能を OFF にする事で解決するのだが、悪い事にそれが非常に分かり難い。その原因は QNAP の NAS が非常に多機能である事と、Linux を知らないと検査の仕方も結果の見方も分からないという事が関係しているだろう。英語のフォーラムでも同じ様な問題を抱えた人が相談しあっているみたいだ。

実は以前にも同じ問題を抱えた事が有った。
その時は、監視ステーションが15分毎に、それと LAN 接続している PC のプリントスプーラサービスが12分毎に NAS の HDD にアクセスしている事を発見し、それらを切る事で解決した。

だが最近、 QNAP NAS の OS を 4.1 にアップデートした頃から問題が再発したのだ。
OS のアップデートと同時に、色々なアプリケーションをインストールしたり削除したりしたので、OS 自体が関係しているかは不明。
自分で覚えている限りで OS 以外は以前と同じ設定に戻したのだが、問題は解決しなかった。

この夏、自分の部屋の温度は既に 40℃ 付近まで上昇している。
自分の今までの経験的にも、人から聞く噂的にも、HDD の温度と寿命の関係は強いと思われ、可能な限り HDD の内部温度を 45℃ 以内に収めたいと思っている。
そんな灼熱の部屋の中で、ほとんどアクセスもしていないのに回転だけさせていると、やはり勿体無いという気になって来る。現在は苦肉の策として、朝の出勤時に NAS の電源を手動で切るようにしている。


結局私は ” 誰がスタンバイの邪魔をしているのか ” という犯人探しをしていた訳だが、私の能力では限界が有るので、なんとか検査結果のログまでは取って、後は公式サポートに助けを求めたのだ。
が、1回目の返答で ” ログの取り方 ” のページを紹介され、憤った訳だ。


さてその後、「 そのページは知ってる。ログをもう一度送るから原因を教えていただきたい。 」 という趣旨のメールを、今度は英語込みで送信した。そしたら、
「 ステーションマネージャのステーション全て・バックアップステーション・アンチウイルスの自動アップデートを OFF にするのをお勧めするよ 」
という趣旨の返答が来た。うーむ…。
先にも書いたとおり、機能を削るのは仕方無いのかもしれないけれど、これらを全て OFF にしろとは、サポート担当は正気なのかと思ってしまう。

しかも恐らくこのサポート担当は、私の送った文面もログも見ていないと推察する。


私もログを見ながら自分なりに試行錯誤してきた訳だが、そのログには qid という文字が散見されていた。
この qid というのは、恐らく QNAP が提供する QNAP クラウドサービスにログインするための ID と思われる。
それを思った時、QNAP クラウド DDNS サービスが頭に思い浮かんだ。

DDNS というのは詳しくはググッて頂きたいのだが、固定 IP を持っていない一般的なインターネットユーザーが、外部のネットワークから自宅の NAS にアクセスするのに必須の機能だ。
世の中にはそのサービスを、有料或いは無料で提供している所がある。
QNAP クラウド DDNS サービスは、QNAP が用意したユーザー専用の DDNS サービスなのだ。


私は、外部から NAS にアクセスする事を前提として購入したし、以前はこの機能を利用していて何も問題がなかったのだ。その事が自分に、” QNAP クラウド DDNS サービスを切ってみる ” という実験を後回しにさせていたのだと思う。
知りうる限りの方法に失敗し八方塞となってから、目を逸らしていた DDNS を切るという実験に恐る恐る着手してみた。
結果は残念ながら吉と出た。

QNAP の NAS は 他社の DDNS サービスを利用する事が出来るので、最悪はそちらを利用する事になると思うが、やはり純正の無料サービスを使用したいというのが心情だ。
ただ、もっと根本的な問題として、DDNS サービスを利用する限りスタンバイモードに移行できないという可能性も残されている。うーむ…。


QNAP クラウド DDNS サービスを切った今、すこぶる快調にスタンバイモードに移行する。
私の様な素人でも察しがついた原因に、QNAP のサポートが気づけない訳がない。
このサポート担当は、私が送った文面もログもキチンと確認せず ” ユーザーがログを送って来た時の次のテンプレート ” で返信して来たのだろう。


QNAP の DDNS サービスは利用したい。以前は使用していて何の問題も無かった。仕様変更が有ったのか?私はどうしたら良いか。
問題は犯人探しからそちらに移行した。

今回も英文付きのメールを既に返信した。
今の所、全く信頼できないサポート担当ではあるが、最後に大化けしてくれる事を望む。

また進展が有り次第ここで報告しようと思う。